System & Design Solution
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プロジェクト
ストーリー

PROJECT STORY

[人々の幸せのためにこの仕事がありますように]
コメリの願いを貫いた仕事を紹介します。

プロジェクトストーリー
トラック納品時間コントロールアプリ

2024年問題の対策

トラック納品時間コントロールアプリ画像01

2024年4月より労働基準法の改正が適用されトラックドライバーの労働時間が短くなることで輸送能力の不足やドライバー自体の減少が危惧されている。コメリグループも例外ではなく2024年現在全国に12拠点の流通管理センターを抱えており、2024年問題の影響を大きく受けることが予想された。荷主側の企業として2024年問題の解決を図るべく着目したのが「トラックドライバーの待機時間削減」であり、各お取引先様からの納品時刻が被らないように管理する仕組みの検討が始まった。

現状の分析

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システムの検討はコメリグループの流通管理センターで発生している。待機時間は何が原因となっているか現状の分析からスタートした。ドライバーが荷降しを行ういわゆる「納品口(バース)」はコメリグループでは小物、ケース品、定形外など納品する商品の種類毎に存在し、分析の結果、ケース品の納品口が一番混雑しており全体の待機時間の大部分を占めていることが分かった。また、混雑している曜日や時間、バースには一定の傾向があり待機時間を削減すべき範囲が明らかとなった。

効果が大きいところから対応する

トラック納品時間コントロールアプリ画像03

早急に対応しなければならない範囲が分かったことで必要なシステムの要件も決まった。コメリグループ側で納品時刻をWEBに登録することで案内を発信し、お取引先様はスマートフォンアプリで着車予定を確認できる仕組みを開発した。シンプルではあるが目的を達成する為の要素は満たしており、2024年4月時点で待機時間の削減に成功した。

最終形を目指して

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現在のバースを管理している仕組みは最終形ではなく2024年問題の応急的な対応でしかない。納品日時の案内だけでなく全お取引先様が予約できる機能や実績(運送業者様が出入りした時間や荷降し作業にかかった時間)を採取できる仕組みを完成系として検討している。問題の核心となっている事象を早急に解決した上でシステムの改良を重ね、さらなる高みを目指しモノづくりに挑戦していく。

スマホ決済 コッコPay

プロジェクトの始動

スマホ決済 コッコPay画像01

2018年頃からスマートフォンに表示したQRコードで決済する「○○ペイ」と呼ばれるスマホ決済サービスが台頭してきた。新型コロナウイルス禍で世間のキャッシュレス決済の利用率が増えてきたこともあり、コメリでもスマホ決済を導入することとなった。元々コメリにはクレジット機能の「コメリカード」、プリペイド式の「アクアカード」が存在し、これらをスマホ決済ができるようにすべく、プロジェクトが発足した。

会社全体を巻き込んだ大規模プロジェクト

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ビット・エイのほぼ全部署が関係する大規模なプロジェクトとなった。開発部署としては様々なシステムとデータ連携を、デザイン部署としてはアプリ画面のレイアウトを作成する必要があった。システム開発として最初に取り掛かったのは、各システムでどのようなデータを連携しなければならないか明らかにすることだった。各部署の担当が集まり確認を繰り返す中でプロジェクトの対応範囲が確定し、それぞれの部署での開発が始まった。しかし、それぞれで開発が終わり全体としてテストをしている時に課題は発生した。

課題1(全体像の把握が困難)

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各担当は自身の担当するシステムがどういうデータを元に、どんなデータを作るか分かっていてもその先の別のシステムでどう使われているか分かっていなかった。コッコPayという全体像を把握できている人間がいなかったのである。その為、テストをしている中で担当間の細かな想定の差異がいくつも発生した。都度修正、テストを繰り返すことで差異は無くなったが、結果としてスケジュールが遅延してしまった。

課題2(UIが決まらない)

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フロントとなるスマホアプリの開発で課題となったのは、画面レイアウトや遷移といった、UI(ユーザーインターフェース)の決定だ。画面の仕様をユーザ(コメリ)と決める際に、画面のイメージ画像と遷移フローを用いて説明を行った。確認したユーザから、表示する文言や画像、遷移フローについて修正依頼が発生する度に修正し、確認をしてもらっていた。しかし、本来画面仕様が確定しなければならない期日を過ぎても一向に仕様は確定しなかった。そこで、作成した画面を実際に動かしたようなデモ画面を作成してユーザに確認を行った。そこから画面仕様の確定は早かった。画面の動きのイメージをユーザが思い描くことができ、ユーザ側で固まったイメージを共有することで仕様が確定した。

まずは実験的に展開

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上記2つの課題の対応により、スケジュールが遅延してしまっていた。当初のリリース予定日では課題も残っていたし、店舗従業員の教育の時間も無かった。そこで予定を変更し当初のリリース日に従業員のみに機能の開放を行った。全国1200店舗の従業員がコッコPayを使うことで新たに課題が見つかったり、自分で使うのでお客様に説明する為の操作方法等の知識を得ることができた。この実験稼働は約2ヶ月間行い、優先順位を決めて課題の対応を行ったことで、本番リリース時には致命的な課題は無くなっており、大きな問題なく稼働できた。

稼働と今後の展望

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コッコPayは稼働し、日に日に利用者も増加してきている。しかし、対応が終わったわけではない。元々稼働後の対応としていた課題も残っていたし、日々変わっていく世の中に合わせていかなくてはならない。変わっていく世の中に合わせていくためには、世の中を知らなくてはならない。他社はどうやっているのか、どのようなものが主流なのか、情報収集を欠かさず続けていくことで、常に最新の開発を行っていく。

DX認定PJ

経済産業省「DX認定制度」の普及

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2020年11月、経済産業省により「DX認定制度」が発表された。国が策定した指針を踏まえ「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX-Ready)」になった事業者を認定する制度である。2023年10月時点の認定事業者は全国で823社、その内、新潟県は9社のみだった。ビット・エイはコメリグループ全体のDXを推進する役割がある為、グループを代表して「DX認定」を取得するPJが発足した。

※出典:「DX認定制度概要」(経済産業省)を加工して作成

認定事業者の傾向分析

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まずはどのような取り組みが認定を受けるに値するかを知る為、既に認定を取得している事業者の傾向を徹底的に調査した。直近で認定された企業のHPや申請内容を全て洗い出し、分析を開始。結果、「具体的な数値/期限目標の明記」「概要を補足する図解」などの傾向が見え、進むべき方向性がある程度定まった。

認定に必要な全作業の洗い出し

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経済産業省より提示されている「DX認定を受ける為に必要な項目」に対して、必要な作業を最小項目まで細分化し、スケジュールに落とし込んだ。公的機関への申請は、1文字でも不正確だと却下される為、必要作業の抜け漏れは許されない。経済産業省の資料を穴が開くほど読み込み、徹底的に調査した。

※出典:「DX認定制度 申請要項」(経済産業省)を加工して作成

申請に必要な資料/HPの作成、レビュー

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やることは全て明らかになった為、後は実際に資料を作成し、ブラッシュアップしていった。経験豊富な顧問にもご協力を仰ぎ、ビット・エイのコーポレートサイト内の細かな表現ひとつまでこだわった。上司へのレビューは時間を無駄にできない。関連資料をすぐに出せるよう準備し、何度もレビューを繰り返した。WEBデザインの部署とも密にコミュニケーションを取ってサイトを推敲し、当初設定したマイルストーンに遅れないよう努めた。

「DX認定」申請~取得

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2024年1月に全ての準備を終え、申請。審査期間は2~3ヶ月を要する。一日千秋の思いで結果を待った。2024年4月1日、無事認定を取得。息つく間もなく各所への報告やWEBサイトでの公開を実施。この時点で新潟県では19社目、ホームセンター業界では初の取得だった。

PJを振り返って

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本PJでは実働メンバーこそ非常に少なかったが、経験豊富で目線の高い顧問や上司と直接やり取りをしていた為、やるべきことが明確になりやすかった。自分に求められたことは、常に自ら進める意識を持ち、積極的に顧問や上司に聞きに行くこと。当初は進め方が分からず苦戦したが、分からない事は全て自分から聞き、進捗があっても無くても即座に報告することを徹底したことで、当期中に認定審査が完了するギリギリの期限で終わらせることができた。認定取得を受けた現在でも継続してコメリグループのDXを推し進める為の役割を拝命している為、このPJで学んだことを継続し、DXを推進していく。

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法

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今までメールなど電子データとしてもらっていた請求書をコピーしてファイリングすることは法令違反となった。電子帳簿保存法の改正である。元々、電子帳簿保存法は存在し、紙で保存が義務付けられていた国税関係の帳簿や書類を電磁的記録(電子データ)として保存することを認めた法律だ。電磁的記録の電子保存が義務化されたことにより、データを保存するためのシステム構築が私たちの新たな課題となった。

電子帳簿保存法の準拠に向けて

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2020年から「電子帳簿保存法」の調査、検討を開始し、電子帳簿保存法に準拠する為の課題・問題点の抽出。しかし調査、検討には着手したものの、電子帳簿保存法の改正が繰り返され、改正内容が定まっていなかったため、検討を一時中断。慌てて進めるのではなく慎重に物事を進めることにした。2022年12月に電子帳簿保存法が正式決定し、進むべき方向性が明確に見えたことからプロジェクトメンバーも一新し、電帳法システム対応の具体化を再開した。

どのような仕組みが必要か

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まず行ったのは電子帳簿保存法の正しい理解と、メンバーとの共通理解を図ること。「電子帳簿保存法」の言葉は知っていても、どんな法律なのか詳しい内容まではわからないメンバーもいた。そのためリーダーは誰よりも内容を詳しく理解し、理解不足のメンバーに繰り返し説明を行い、メンバー全員が目的を見失わないようにリードする。次に電帳法で求められるシステム、機能の整理を開始。電子データで受取り、そのまま会計システムに取り込み、効率化を実現したい。それが実現できるシステム像を提案し、システムを構築。外部パッケージではなく、ビット・エイが内製することで、グループ全社で同じシステムを導入、非効率だったグループ間の書類のやり取りも効率化し、一元管理することができるシステム作りが始まった。

スケジュール管理はコミュニケーションが大切

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グループ全社で統一システムを導入するためには、各社が納得するシステムにしなければ使ってもらえない。必要な要件は何なのか、共通課題、単独課題と次々と出てくる。当然一人では解決できない問題ばかり。メンバーとコミュニケーションを取ることはもちろん、先人からアドバイスや協力してもらいながら、全社一丸となって、ひとつずつ課題をクリアしていく。初めは沢山の課題を目の前に焦ってしまい、何をしても進まない膠着状態に陥ったが、複数の課題をごちゃまぜにするのではなく、ひとつひとつ着実に進めていくことが、実際にやってみて実感した近道だった。

まだ始まったばかり。これからも電帳法システムは進化する

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2024年1月1日、義務化開始。正月明け、第三四半期決算対応に影響を与えないタイミングで稼働させた。各社の経理担当、営業担当、各部署の事務担当が次々と利用を開始。ユーザーから実際に使ってみて感じた改善要望が挙がってくる。1月開始に向けて、必要最低限の機能を使える状態にし、まずは動かすことを優先した。このシステムは第2ステージが始まっている。稼働はした。今度は質だ。誰もが納得し、安心して使い続けられるシステムにするため、ユーザーの言葉に耳を傾け、改善要望を自ら回収し、ひとつひとつクリアさせつつ、実際に使ったユーザーからの「使いやすいね」をもぎ取ろう。

インボイスPJ

インボイスPJ

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インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、買手は、仕入税額控除の適用のために、原則として売手から交付を受けたインボイス(適格請求書)を保存する必要があり、売手は、インボイスを交付するためには、事前にインボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)の登録を受ける必要があり、登録を受けると、課税事業者として消費税の申告が必要となる制度。2023年10月からインボイス制度が施行されることとなり、コメリグループとしてもインボイス制度に対応する必要があり、会計システムを筆頭に、関連システムの改修を進めることとなった。

インボイス制度の準拠に向けて

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ビット・エイとして大型案件は重要プロジェクトとして、全部署からメンバーを集め、発足する。今回も重要プロジェクトとしてインボイスPJが発足した。今回のメンバーは、会計システム、店舗システム、ECシステム、情報系システム、カードシステム、システム運用、営業、経理から選抜。関連部署はほぼ全て。リーダーの元、システムだけではなく、運用方法や手続きについてもプロジェクト課題として取り組む。

システム改修しなければならない範囲とは?

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PJとして発足した時点では、インボイス制度の概要も定まっておらず、手探り状態。世の中に出回るインボイス制度の情報を集めながら、コメリグループ各社の担当者と何度も打合せを実施していくが、見直しているうちにインボイスとは直接関係ない要望も上がってくる。追加されたり、緩和されたりと日を追うごとに出てくるインボイス制度の情報と、新たな要望の数々。改修範囲、要件が確定せず、これまで打合せで調整してきた要件にもズレが生じ、ユーザーの合意が取れない。ただただ時間が過ぎる中、施行に間に合わせるにはインボイス対応としてやらなければいけない範囲、要件を明確にすることを優先した。

優先順位を明確に、無駄なことは行わない

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インボイス制度が囁かれ始めた時期から進めていたプロジェクトではあったが、コメリグループ全社のシステムを預かる私たちにとって当初からスケジュールは厳しかった。ユーザーからの最終合意を取るのに時間がかかり、更にスケジュールは押していく。要件定義、概要設計が遅れ、詳細設計以降の工程が短くなった。このままでは稼働が間に合わなくなってしまう。稼働タイミングが早いものから優先順次をつけて対応し、インボイス制度に直接関わらない要望は別案件として切り離す。連携が必要のないシステムは対象システム内で全て完結させることでテストの効率を上げ、STについては最終処理結果側が検証に必要なデータや内容を提示し、その内容で全体STを実施したことで検証効率を上げることができた。

インボイス対応システム稼働

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やることが明確になったことにより、どんどん改修は進んでいく。テストも効率を上げて行えた。2023年10月1日。大きなトラブルもなく順次システムを稼働させて法律に準拠する対応がとれた。もし、あのまま合意を取ることができなかったら。一斉に始まったインボイス制度に対応できず、多くのお客様に多大なる迷惑をかける可能性もあった。今回学んだことは、自分たちの本来やるべきことを明確にし、優先順位を付けて重要ポイントから手を付けること。範囲が曖昧なままでは要件が定まらなかった。要望と法対応は切り分け、本来やるべきことを行う。これからも役割を全うしていきたい。

オリジナル商品パッケージUBERMANN(ウーバマン)

新ブランドの誕生

オリジナル商品パッケージUBERMANN(ウーバマン)画像01

コメリからプロの仕手を支えるために耐久性、操作性、パフォーマンスを実現した新たなパワーツールとして新ブランド「UBERMANN」を展開していくことが決まった。ビット・エイとしても新ブランドに対するユーザーの想いをデザインとして最大限に表現することが求められる。パッケージをデザインするということは開発者のこだわりや想いを消費者へ代弁することになり、商品の顔を作ることを意味する。開発者の想いを念頭に置き、消費者へどう伝えていくか、まずは他社の商品を調べるところから始めた。

消費者へ伝えることは何か

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UBERMANNは耐久性、操作性、パフォーマンスに長けている商品であり、プロもそれを望んでいることは確かだと感じた。プロ向けということもあり、グレードが高く様々な要素をパッケージ上で表現しようと考えたが、様々な要素が入り混じったデザインは伝えたい要素を結果的に潰してしまう。そういったことを考慮してコメリの商品開発バイヤーと幾度と打合せを重ね、意見を詰めていった。ブランドイメージを崩すことなく開発者の想いを活かし、消費者へ伝えるべきことを表現する。これらを網羅することは容易ではなかった。

想いを形にする

オリジナル商品パッケージUBERMANN(ウーバマン)画像03

打合せを元にラフデザイン作成を開始したが、過去にデザインを作成した「ヒートフィーリング」シリーズの時と同様、制作段階から売り場の陳列方法がある程度決まっていた。消費者には商品よりも売り場のインパクトが先に伝わる。パッケージデザインは個を伝えることも重要であるが、陳列方法を考慮しないと意図しない物になってしまう。陳列された状態をイメージし、文字の大きさ、売リ場全体の統一感を意識して複数のラフの提案をした。提案、校正を繰リ返していく中で商品開発バイヤーと意見交換を行い、完成を目指した。UBERMANNのイメージカラーである赤、黒をメインで使用し、黒をベース、赤はアクセントとして商品を引き立たせるようにデザインをした。デザインが完成し、実際に売場に陳列されたプロ向け商品としてのイメージをアピールし、消費者の注目を集めることができていた。デザインの目的は視覚で消費者に商品の良さ、開発者の想いを伝えることにある。今後も商品開発バイヤーと協力し、商品の想いを伝えられるデザインを作っていく。

新人の呼吸Bノ型

タスクフォース『新人の呼吸Bノ型』発足

イメージ画像

IT企業を中心に、世の中の企業では、ビジネスチャットを活用し社内のコミュニケーションを強化している。ビット・エイの新入社員の悩みとして、他部署の新人とコミュニケーションを取る機会が少なく、特にフロアが違う部署間で話す機会がほとんどないということがあった。また、第一線で活躍する先輩たちに質問したくても、中々質問時間を確保できないということがあった。そこで、ビジネスチャットの導入を通じて、社内コミュニケーションをよリ活発にすることを目的に、新入社員を中心としたタスクフォースを結成。ビット・エイ社内で活用できるビジネスチャットを構築する為の活動が始まった。

手軽な社内コミュニケーションツールを目指して

初回リスポット画面

ビット・エイ社内でビジネスチャットを利用する目的として「社内外で簡単な相談、質問を行える場としての手軽なチャットツール」を掲げ、先輩たちが作リ上げたC-netという自社開発システムをベースに目的を達成するため、更なる機能、使いやすさを追求する開発を進めていくこととなった。まず最初に、世の中に溢れるビジネスチャット製品を調査した。結果、メッセージ検索機能や添付可能ファイル形式の数、プッシュ通知など、私たちに必要な機能をピックアップすることが出来た。システム開発について右も左も分からない初心者ぞろいのチームで、まずはできるところから開発に取り掛かることにした。実験段階で同期や先輩に実際に使ってもらい、アドバイスをもらいながら、試行錯誤しつつ、よリ私たちに合ったシステム構築を進めていった。

もっと身近に感じられる名前を付けよう

リスポットアイコン

元のC-netというシステム名のままでは、自分たちで作成したという実感が感じられない。そこで、今回構築を行うにあたって、PJメンバーが思いを込めて制作したシステムに名前を付けることにした。新人が持つ自由な発想から提案された様々なアイデアの中で選ばれたのは、新人(Rookie)が気軽(Easy)に利用できるトーク場所(Spot)を意味した『R↔Espot』だった。メンバー唯一のデザイナーがみんなの意見を基に何度も書き直し、ようやくできたロゴは、システム名をもじってリスをモチーフとしたものであった。このようにして、新人たちが構築したビジネスチャット『R↔Espot』が生まれたのであった。

ビジネスチャット「R↔Espot」によるコミュニケーションの円滑化

リスポット画面1

様々な部署の新入社員で結成されたチーム『新人の呼吸Bノ型』では、部署ごとに繁忙期が異なることから、タイミングを合わせて作業を実施することが非常に難しかった。そこで改修途中のビジネスチャット『R↔Espot』を利用し、トークルーム内で連絡事項や課題の共有、作業進捗の管理などを行うことで、部署を跨いだタスクフォースの活動を円滑にすることが出来た。さらに自分たちで使用していく中で、システムの更なる改善点も見つけることができた。また、開発したビジネスチャットを先輩社員や入社内定者に使用してもらうことで、社内のコミュニケーションをより気軽に、便利にすることが出来た。今後も機能の改修を進めていくことで、R↔Espotを通じた社内コミュニケーションの質の向上が期待できる。

成果報告とR↔Espotの未来

リスポット画面2

今回のタスクフォースPJの成果を2021年度の新入社員を対象に報告した。入社前にR↔Espotを使用していた新入社員たちにどのような経緯で、どういった目的をもって構築を行っていったのか説明した。ビット・エイ社内のコミュニケーションが、R↔Espotによって今後大きく変革されつつある。タスクフォース活動中は新人だった私たちも先輩になった。今後も、先輩として後輩の悩みを摘み取る場所としてR↔Espotを最大限活用していきたい。

『新人の呼吸Bノ型』というチーム名について

発表風景

タスクフォース活動を行っていくにあたってチームとして最初にチーム名の命名を行った。PJメンバーからアイデアを募り、話し合いをした結果、チーム名は『新人の呼吸Bノ型』に決定した。その他には、『新人のお悩み相談室』や『万屋新人ちゃん』、『おいでよ新人の森』といった名前が候補として挙がっていた。チーム名の由来は、2020年日本国内で大きな人気を博した漫画の作吊中に登場する用語をもとにしたものである。元となった作品のように、新人の自由な発想を活かしてビジネスチャットを構築し、社内コミュニケーションの質を向上させるという目標に向かってPJメンバー全員で「全集中」して取り組むという気持ちを込めて命名した。

あつまれ新人の森

タスクフォース「あつまれ新人の森」発足

新人たちの春夏秋冬

新型コロナウイルス禍の中、ITの分野は常に進化し続け、新たなIT技術が求められている。それに伴い、IT分野での人材もまた多く求められるようになった。そんな中、ビット・エイでは新たな人材獲得の為に入社して半年の新人だけで形成された、タスクフォースプロジェクトがスタートした。学生、就活生をターゲットに「ビット・エイで働く楽しさを知ってもらう」ことを目的として、採用サイトのコンテンツ制作を行った。半年前までは学生だった新人たちは学生目線になって考えやすい。記憶に新しい就活生時代のことを思い出し、コンテンツ制作に挑んだ。

試行錯誤の日々

ホワイトボード

タスクフォースPJが始まり、新人達は何をしたら学生に興味を持ってもらえるか考えた。自分たちが就活生だったころどうしていたか、何を重要視して就職先を選んだか、どういう活動をしたか、話し合いを行いメンバー内の親睦も深めていった。PJメンバーのほとんどがホームページ制作が未経験だった為、ページを作るのにも手間取った。ヘッダーやフッターの内容、リンク機能の追加、最適なデザイン、注目されるキーワードを考え、時には新入社員全員に向けてアンケートを取るなどをしてコンテンツ制作に力を入れていった。思考を凝らした結果、3つの内容か決定した。それは、"一年のスケジュールが書かれているカレンダー"、"学生時代から本配属の現在に至るまでについて話し合う座談会"、"社員の休日を見ることができる休日の様子"だ。各ページのテーマを決め、特徴的な見た目にこだわった。採用サイトに新たなコンテンツページを制作するということで始まったこのPJだが、ページリリースまでに様々な困難があった。原稿作成からデザイン制作、ページのコーディングまで全て自分たちで行う為、思い通りに進まないことが多く、日々試行錯誤を繰り返しながらページを作り上げていった。

リリース後の壁

打合せ

無事、念願の初回リリースを果たした当初は感極まるものがあった。しかし、一つの大きな課題をクリアした束の間、沢山の壁が立ちふさがった。正しく画面表示がされているか確かめる稼働確認や、閲覧数を増やすための手立てとして、新たな要素を追加するための案出しなど、全てのことが未経験の新人達にとってはとても高い壁であった。どんなことを行っていても、トラブルというものは常につきものである。今回のPJの中でもメンバー変更という大きなトラブルがあった。急なメンバー変更により、リリースまでの予定変更、各メンバーの担当変更など様々な問題が生じた。

島の発展と自身の成長

島の画像

様々なトラブルがあったものの、何も分からなかった新人たちは着実に知識を身に着け、コンテンツ制作を進めていった。更新作業を行っていく中で、成長が顕著に現れたものがTOPページの島だった。PJを進めていく中で、作成ページのシンボルとなる島を発展させていった。初めは花も雪も何もないちっぽけな島から、春夏秋島という名に相応しい要素を加え、コンテンツの進化をしていった。どのようなコンテンツを作成すれば学生のためになるかを自分たちが学生の頃に立ち返リ、試行錯誤しながら作成していった。何もかも初めての中、仲間とともに一つの物を作り上げることの楽しさや大切さ、新たなことを覚えていくことで、島の進化と共に自身の成長も感じることが出来た。

成果発表と今後

発表風景

今年度入社した新入社員に向けて今回のタスクフォースPJの成果発表会を実施した。つい最近までホームページを見てもらう対象だった彼らにどのような思いを持ち、ホームページを作成したのか、制作の過程はどうだったのかを知ってもらうために開催した。このタスクフォース「あつまれ新人の森」は成果発表会をもって終了したが、今後はビット・エイリクルートサイトと連携して新たな島の発展を目指していく。島からPJメンバーは旅立ったが、新たな形で島はこれからも進化していくのである。

「あつまれ新人の森」というチーム名について

新人たちが作ったホームページに集まってほしいという願いを込めて作られた名前だ。どうやったら学生たちの興味を引けるだろうか。そう考えた時、絶賛人気沸騰中の某社の某ゲーム名にあやかって「あつまれ新人の森」と名付けた。当初は、「採用ページ作成チーム」や「新入社員お仕事プロジェクト」などが候補に挙がっていた。しかし、採用ページやプロジェクトの言葉に引っ張られ、ターゲットである学生の興味を引き、見てもらうということを失念していた。そのため、新入社員ならではの自由な発想から現在の「あつまれ新人の森」となった。

新基幹システムプレイス

コメリの基幹システム

開発風景

1200店舗を超えるコメリを支える基幹システム。一般的に「基幹」と言えば、販売管理、在庫管理、財務管理、購買管理などとされるが、コメリの場合はそれらに加え、一般的には情報系と呼ばれる分野も含めてありとあらゆる情報が全て集約される非常に大きなシステムである。この基幹システムは1997年に完全オリジナル自社構築をして以来、4世代に渡りコメリ独自の進化を遂げ、コメリの成長を支えて来た。

リプレイスプロジェクト発足

サーバー

2013年に稼働した現在のシステムも2019年には7年を迎え、基幹システムとしての大命題である「安定」した稼働を長期に渡リ続けておリ、加えて当時最新の業務要件を取リ込む余力も十分に残っている状態であったが、更なる店舗数の増加、及び躍進のための業務要件の拡充に向けて1年後の 2020年をターゲットとして、ハードウェア、ソフトウェアの最新化に取り組むことになった。プロジェクトは開発チーム、インフラチーム、営業チームからメンバーを集め発足した。

目的から入る

現在はありとあらゆる業務にITが入リ込んでおり、システムがある事が前提となっていることから「システムの〇〇をこう直す」といった、本来は業務遂行のためのツール(手段)であるシステムの変更を目的としてしまいがちだが、次の5年後を見据えた基幹システムの果たすべき役割、求められる役割を目的として明確にし、プロジェクトメンバーに加え、ユーザ部門とも共有することからスタートした。

新しい風

社内のプロジェクトメンバーはいずれも若く、以前にリプレイスプロジェクトの経験は無いが、やる気のあるメンバー構成となった。これだけの大規模なリプレイスを社内メンバーだけで遂行することは難しく、社外のシステムベンダーの協力が必須となる。歴代システムでも同様であったが、今回は過去に協力を得たベンダーでは無く、新たに経験豊富なベンダーと手を組むことを決め開発に着手した。

課題解決。そして稼働へ。

このプロジェクトは2019年にスタートし、2020年初夏に稼働するスケジュールで開始した。しかしながら、新型ウィルスの影響を受けスケジュールの変更を余儀なくされるなど、大小様々な課題が発生し、それを新しい力で乗り越え新システムへの移行は完了した。これは先を見据えた基礎が完成したに過ぎず、この基礎の上に更なる飛躍を支える様々な仕組みをスピードアップして構築して行く。

Pro ship

約12万件の固定資産管理

パワー外観

コメリは全国に約1,200店舗を出店しており、店鋪の土地や建物各種設備を始めとした固定資産を約12万件保有している。各店舗の出店や改装の毎に資産の購入・移動が頻繁に発生するため、非常に多くのデータ管理に経理部門は苦労をしていた。新システム導入以前のシステムでは、一部表計算ソフトによる手作業で業務を補っていた為、属人化や手作業によるミスの発生などのリスクも多く抱えていた。大量件数のデータを一元管理できるシステムの導入が必要となった。

女性だけのプロジェクト

システム開発

固定資産管理のパッケージメーカー「プロシップ」と手を組み、システム開発を開始。ビット・エイ、プロシップ様ともに女性メンバーでプロジェクトを進めた。専門性が高く、コメリグループの業務内容やシステムリプレイスの検討の背景を踏まえた最適な提案をいただいた。導入にあたっては、テレビ会議を用いてビット・エイ、コメリ、プロシップ様の3社で業務内容を踏まえた課題を抽出し、意見を出し合いながら移行方法を検討し進めた。

導入後の評価

社内勉強会

システムの処理速度が大幅に改善し、固定資産管理の業務時間が全体的に削減され、ユーザー業務時間は全体で約20%の削減を達成した。新システムを導入したことで、データの一元管理が可能となり、手作業の業務をなくすことができた。プロジェクト完了後には社内で勉強会を実施し、プロジェクトについて社内全体で共有した。

固定資産管理のこれから

法律改正にいち早く対応し、さらなる作業時間の削減、正確性担保、データ保存の安全性を実現し、決算の早期化の実現に取り組んでいく。コメリの将来的な展望(売上高1兆円、店舗数3000店舗)に対応できる・支える仕組みを構築していきたいと考えている。

X-analysis

X-Analysis導入の背景、狙い

打合せ

コメリグループは、1996年に国産メインフレームから移行して以来、基幹システムのほとんどをIBMiで開発している。現在では販売管理、顧客管理、物流管理などに導入。IBMiを導入したシステムが増え、規模自体が大きくなっていた。このことにより、システム改修等における影響調査に時間を要するようになっていた。経験豊富で、熟練した知識を持たないと、影響調査の精度が左右される状態であった。そこで、経験が少ない者であっても、一定のレベルで調査可能となること、機械的に可視化することにより、開発生産性を向上させることを狙いとして影響調査ツール導入に至った。

製品選定の経緯、評価点、決定理由

コメリカード

影響調査ツールは複数製品を比較検討した。その中でも「X-Analysis」は影響調査が可能な範囲、アウトプット範囲が広く、可視化可能な機能が多い点を評価した。物流システムはセンター毎にプログラム資産の管理も複雑となっており、比較確認が可能な点も理由の一つだ。また、オブジェクト自体の分析が可能で、ソースがないプログラムも解析可能なことが決定打となった。

導入後の利用方法、運用状況、ご評価

新人

X-Analysisを用いて、2019年5月には元号変更対応、同年10月には消費税対応を実施。属人化を排除し、若手エンジニアでも確実な影響調査が可能となり、結果全体的な生産性の向上に繋がった。現在ではX-Analysisを用いた調査結果資料を、弊社の開発工程手順における成果物に位置付けて利用している。IBMiで開発をする上では必須で運用しなければいけない状態としており、利用者は導入前に比較して影響調査がし易くなったとの声が上がっている。

導入効果、開発・運用業務の改善点

システム

統ーしたドキュメントフォームを成果物とすることで、影響調査した結果が可視化され明確となった。これにより調査レベルが一定となり、品質向上にも繋がっている。このプロジェクトを統括したリーダーは、会社に多大なる貢献をしたということで、この年社員表彰式で「功労賞」を受賞した。現在では、X-Analysisの認定パートナーになり、企業が抱えている高齢化・属人化・人手不足に対応した働き方改革を支援している。

RPA

カード事業拡大と業務の肥大化

打合せ

コメリカードとアクアカードを合わせた総会員数は現在400万人を突破し、なお増え続けている。カードシステムにより業務の省力化が図られているとはいえ、人の手が関わらなければいけない部分はどうしても出て来る。会員数増加により、この人の手による業務の肥大化が課題になりつつあり、コメリのカード事業を担うコメリキャピタルの業務全体に影響を与えかねない状況が予見されていた。

効率化を目指して

コメリカード

カードシステムを改修して対策する事はもちろん可能だが、カードシステムの改修はコメリキャピタルとビット・エイ双方にとって負担が大きく、また相応の開発期間が必要になるため、業務改善のための改修が業務の負担になるという事態になりかねない。そんな中、業務への影響を最小限に抑えつつ、即効性がある対策として「RPA」に白羽の矢が立った。現在のシステムはそのまま使う事ができ、開発作業もカードシステムの改修よりも早く済ませられる。迅速に業務改善を実現できるツールとして、RPAを採用する事となった。

RPA適用への取り組み

新人

RPAで自動化する業務については、コメリキャピタルとの打ち合わせで決められた。日々発生するデータ入力業務の中で、件数負担が重く、時間のかかる業務が選ばれた。そして、その業務をフローチャート形式で可視化し、RPAのシナリオとして作成する手順が取られた。このフローチャートは、業務を標準化し属人化を防ぐという面もあり、思わぬ副産物となった。単純作業と思っていても、いざ可視化してみると、その中に不文律が存在し、RPA化によってそれが明確化され、業務の適正化にも繋がる。RPA適用による業務効率化は、ツールを活用する以上の効果がある事が分かった。このRPAの調査・開発には、新入社員も先輩社員と一緒になって取り組んだ。

成果

システム

1ヶ月間RPAを試験運用してみて分かったのは、業務をRPAで肩代わりすることが、想像以上に影響が大きいという事だった。予め分かっていた事ではあるが、実際に他業務に時間や人員が使えるようになると、今までリソースの都合で出来なかった業務も検討できるようになり、効率化に加えて、新しい取り組みを後押しする事にも繋がった。その後、コメリキャピタルの意向により正式導入が決定。現在では、コールセンター業務にも適用されており、コメリキャピタルからのRPA化の要望は今も続いている。RPAにより実際に業務が改善できたという意識が広がり、更に活用しようという気運が高まった事で、業務改善の良いスパイラルが生まれ、当初予想していた以上の効果を得る事が出来たと言える。
※RPAとは:Robotic Process Automationの略称。マウス・キーボードを使った画面操作や文字入力を再現し、自動化することが出来るソフトウェアを指す。業務上でオペレーターが実行する入力内容を再現する事で、業務を自動化することが可能。

ドライブスルー

ドライブスルーで買い物を可能に

ドライブスルー

パワー和歌山インター店に、日本のホームセンターで初めてドライブスルーを導入した店舗ができた。建築資材等の大型商品や重量のある商品を購入する方が便利に利用できるように、車に積みながら買い物ができるドライブスルーを4月に稼働させた。今までは大きな資材を店内で購入し、レジで精算をして、お客様の車まで運ぶ。 こうした購入までの流れがあった。 しかし、様々な商品を取り扱う中で大型の商品を運び出し、車に乗せるという作業は難しい点もあった。そこで、2017年12月ごろの店舗改装に合わせて、ドライブスルーで購入するためのアプリ開発をビット・エイで行った。

ドットコムのアプリ開発

店舗

コメリドットコムのアプリの一つとして、ドライブスルーの支払いで使用するアプリの開発を行った。ドライブスルーで商品を積み込み、読み込んだ商品のバーコードをアプリで読み込む。レジでアプリを出せば、積み込んだバーコードが表示され、車に乗ったまま決済が可能となる。プロジェクト当初は紙のメモのみを活用して決済まで行う予定だった。しかし、アプリも使用できるようにすることで、忙しいお客様がレジまで商品をもっていく時間を短縮した。その結果、ブロックや木材、肥料など、重い資材なら何でも車で買いまわれるとあってお客様から大好評。もちろん一般のお客様でも利用可能。コメリはプロのお客様が多いため、システム開発による快適な買い物を可能にした。

お客様をイメージした開発

アプリ

コメリと共同でパワー和歌山インター店の改装を手掛けていく中で、課題への取り組みも発生した。ドライブスルーを導入した店舗ということもあり、アプリ開発においてもドライブスルーを推したものを開発する予定だった。だが、ドライブスルーのみの使用でなく、他のところでも使用できるアプリでないとならない。そこで、アプリ画面におけるドライブスルーという文言を変更し、「買い物メモ」とした。買い物メモとすることで、ドライブスルーでなくても様々なお客様が買い物ができるようにした。また、アプリを起動すると携帯画面が自動的に明るくなるようにした。そうすることで、決済をする時にスムーズに操作できるようになった。開発にあたり、考慮しなければいけないことは「誰が、どういった場で使うのか」という点である。お客様が求めているものは何か。システムを稼働する前に、その点をどれだけイメージできるのかが大切になってくる。開発において、お客様がいかに使いやすいと感じてもらえるのかを考えながら、コメリと共にドライブスル一のプロジェクトに取り組んだ。

より良いものをつくる為に

問い合わせ

アプリ開発は何もないところから始まったわけではない。基となる素材を吟味し、お客様のことを考えて改良を重ねていった。開発には満点があるわけではない。改良を重ねてより良いものへと仕上げていく。アプリ開発において、その素材を吟味する時間がいかにつくれるかが大切になった。開発者だけでなく、店舗の方に協力してもらって使い勝手をリサーチし、開発に取り入れていった。そして、アプリのリリース後もアプリのログやアクセス数などを共同で調べ、お客様の反応を見てみる。そしてまた改良を重ねていく。お客様の課題解決の為に、ネットとお店の接点を拡充し、お客様の課題を解決することもeコマースでは必要だと考える。しかし、eコマースの世界だけで完結してはいけない。その先に繋がっているお客様やお店、それを取り巻く関係者がいる。これらをイメージすることで、よいシステム、サービスが実現する。

Koomeri

店舗からの様々な問い合わせ

コメリ店舗

コメリ店舗では常にお客様に商品の使い方や性能など質問される。働く従業員はベテランから新人まで様々だが、お客様から見たら、総じてコメリのベテラン社員だ。店舗従業員は忠実にお客様に応えるため、知らないことは頼れるコメリ本部へ連絡する。そうして、コメリ商品部をはじめとしたコメリ本部に寄せられる店舗からの問い合わせは止むことはない。限られた本部の人員で全国1200の店舗の問い合わせに対応しなければならないのだ。しかし、本部の業務は店舗からの問い合わせ対応だけではなく、他にも様々な業務をこなしている。本部、店舗の業務拡大に伴い、すべてに回答し、対応することができなくなってきていた。それでは、本部として店舗のサポートする役割が果たせなくなる。そこで立ち上がったのが、問い合わせ窓口専門部署だった。

問い合わせ窓口の役割

店舗

お客様から頂いた質問は貴重な意見であり、世の中のお困りごとでもある。その一つ一つの質問と担当者が導き出した回答はすべて保管管理していた。しかし、そのデータベースは一般的なPC用ツールで管理されており、全国1200店舗へ公開する術を持ってはいなかった。せっかくの蓄積された情報を今にも必要としている店舗従業員が即座に活用できない。問い合わせ窓口ができたが、そこでも人員は限られている。すべてが電話対応のため、電話をかけても通話中といったこともしばしば。そこで思う、自分たちで調べることができたらどれだけいいか。もちろん、念頭にあるのは困りことが解決されたお客様の笑顔である。

今すぐにでも欲しい

店内

現場は今にも困っていた。開発チームに与えられた時間は2か月。システム開発の話が持ち込まれたその日から2か月後には店舗で使えるようになっていなければならない。そこで必要になったのは、必須となる機能から開発を行うということ。システムを開発していると、これはあった方がいいかもしれないという要望が出てくる。しかし、意見が纏まらず、話し合いに時間を費やしてしまうことがあるのだ。今回は必須となる機能に集中することで、2か月で実験を開始することはできた。本当に必要な機能は、実験を行い、実際に店舗で利用することで現場から上がってくることとなった。

先人の業績を謙虚に学ぶ

問い合わせ

システムを使い心地の良いものにする。求められている本当に必要な機能を現場の声を聴きながら探っていく。問題点は、検索結果が見づらい、言葉選びひとつで関係ないものもヒットする等、回答の探しづらさ。容易に検索できるようにすることが必要とされていると考え、システムを設計する。文字の大きさが1サイズ違ったり、行間が少しでも詰まると、見易さに大きく影響する。私たちの経営理念であるコメリグループ綱領に「優れた先人の業績を謙虚に学び…」というものがある。文字サイズ、行間、機能の配置等、大手サイトから良い部分を学び、システムに反映した。

誰でも簡単に検索、すぐに提供できる商品知識

検索画面

実験後、次に課題となったのが情報の拡充だ。いくら簡単に検索ができても、見易くなっても、必要としている情報がなければすぐに誰も使わなくなる。店舗で必要とされる情報は、商品の情報や用途に関するものが多く、商品の詳細説明や代替え商品の提案としてコメリの通販サイトであるコメリドットコムの商品ページにリンクしたいという要望が上がってきた。通常、別サイトへリンクするには、HTMLのタグを埋め込む必要があり、手間が掛かる。自分なら面倒なことはやりたくないし、時間との勝負の中で面倒なものを提供しても使われなくなる。そんな思いから、掲載内容に入力されたJANコードから自動でリンクを生成可能とした。機能自体の実現性、検索レスポンスの低下の懸念があったが、開発チームー丸となった上、優秀なシステムベンダーの協力もあり、実現することができたのだ。

受け継がれる知識と積み重ねていく経験

店内

このKoomeriを使うことで、今日から仲間となった従業員もお客様の問い合わせに対して答えることができるようになった。もちろん、毎日のように新規の問い合わせは来る。AIのようにKoomeriの知識も日々蓄積されている。お客様が笑顔で買い物ができるように、私たちができることはお困りごとを解決するシステムを開発して実現させていくことだ。一度出来上がったシステムも当初の開発チームから次の開発チームへ受け継がれ、新しいメンバーで新機能を導入していく。そうして私たちの知識も日々蓄積されていくのだ。

オリジナル商品パッケージ

他社との差別化

シャツ

現在、各社が企画したプライベートブランド商品は世の中にあふれている。新しい素材や機能が生まれ、ヒットすると同様の商品が他社からも発売されることは世の常である。同様の機能を持った商品が世の中にはあふれかえることになるが、各商品をよく観察するとそれぞれに開発者のこだわりや思いが詰まっている。パッケージをデザインするにあたって重要なことは、開発者が消費者へ伝えたいことをデザインを通して代弁することである。何かを人に伝えるには、そのことをよく知らないと伝えることはできない。まずは他社の同様の商品を調べるところから始めた。

消費者に伝えたいことは何か

コメリの消費者は比較的年齢の高い方が多い。そして、季節に合わせた衣料は外仕事を多くされる方のほうが興味を持たれることが多い。ただし、それら以外の消費者へも商品の内容が伝わることも求められる。伝えたい要素や内容が複雑になればなるほど、シンプルな伝え方、考え方が良いと考えた。商品の機能をパッケージを通してシンプルに伝えることが、この商品の内容を消費者へ伝えることに適しているとコメリの商品開発バイヤーヘ説明をした。商品開発バイヤーからパッケージデザインの方針について了解を得ることができ、その打ち合わせの中でどういった事を消費者へ伝えるべきなのかを話し合った。

トライ&エラーでブラッシュアップ

選ぶ

打ち合わせ内容を元にまずはラフデザインの作成に取り掛かる。根幹となる考え方を主軸に様々な見せ方とイメージを考える。まずは考えつく限りいたずら書きのようなサムネイルを手書きする。書いたサムネイルを一時の時間を空けて客観的な視線で見返し、修正を行う。これを繰り返す。その後、いくつかをピックアップし、アプリケーションを使用して清書を行っていく。清書の際にも客観的視点での見返しを行いブラッシュアップを行う。そうして出来上がったラフを打ち合わせをしながら商品開発バイヤーヘ提案する。打ち合わせの際にもユーザから様々な意見やアドバイスをもらいながらデザインを完成形に近づけていく。

売り場も考慮する

売り場イメージ

パッケージデザインは商品を包む袋だけをデザインするだけでは本来の機能を果たすことはできないのである。なぜなら、消費者がその商品を手に取る前段階の陳列されている時にも意図した機能を果たさなければならない。また、陳列方法による商品の伝わリ方をイメージすることも必要である。この商品はパッケージ制作段階から売リ場の陳列方法が決まっていた。店舗の主通路に向けて商品が一棚分陳列されるのである。そのことを利点ととらえ、棚全体が商品のイメージカラーの塊に見るようにデザインを行った。実際、商品の売れ行きは好調となった。我々のミッションはただ単に商品のハッケージデザインを作成することではない。パッケージデザインを通じて消費者と開発者のコミュニケーションを完成させることだ。商品開発バイヤーと一丸となって今後も消費者に伝わるデザインを作っていく。

農業資材総合サポート

農業分野をサポートする

農業資材カタログ

コメリは長年、農業を総合的にサポートしている。今や、様々な農家向けのサービスの提供をしている。「ローコストな農業資材の提供」プライベートブランド商品の提供で農家の資材コストの削減。「農家向けクレジットカード」農産物の生産に必要な資材等の購入代金は作物の収穫に合わせた資金繰りができる収穫期払い専用カードのご提供。「営農支援」営農相談に対応できる農業アドバイザーを全国に展開し、きめ細かいフォロー体制を構築。「農産物流通」WEB産直・軽トラ市などを通して、販売支援を拡大。その中で、この農業資材カタログはコメリの販売している農業資材を、この1冊で網羅しているのだ。

16,000点の商品情報を伝える

農業資材カタログ

コメリの取り扱う農業資材は多岐にわたる。ポリポットや支柱などの生産資材、水稲資材、ハウス資材や農薬、除草剤、農機具に作業衣料など。また、農家は偉大なDIYerとも言われ、様々なものを自前で作ったり、補修したりもする。そのため、工具や建築資材も農家には必要な資材なのだ。これらの大量の商品群をお客様に分かりやすく伝えるには情報の整理が必要不可欠となる。商品群の分類分けはコメリが今まで培ってきた販売のノウハウを元にカテゴリーごとに分け、順番を決めた。この商品分類の順番によってカタログ全体の見やすさ、商品の探しやすさが決まる。

事前の準備と段取りが重要

話し合い

大量の情報を見やすくレイアウトするには膨大な時間がかかる。しかし、農業用品の最需要期は決まっている。春の雪解けが始まる前である。限られた時間の中で効率的にレイアウトデザインを完了させるには、機械的に決まったレイアウトに流し込めば短時間で紙面を作成することは可能であるが、しかしそこにも問題はある。ページが連続して続く冊子の場合、同じレイアウトが延々と続くと単調なイメージとなって、売りたい商品、お客様に知らせたい情報が埋もれる。そうなってしまっては本末転倒である。限られた時間の中で、短時間にレイアウト作成し、尚且つターゲットに伝えたい情報を気付かせるために予め複数のレイアウトパターンを用意した。レイアウトパターンを組み合わせることにより作成期間の短縮と効率の良いカタログ作成を行うことが可能となった。もちろん、商品の順番や目立たせたい情報はコメリ担当者と事前に密な打ち合わせを行い、紙面作成を行う前に決定させた。また、決められた期限までに確実にカタログ作成を完結させるには作業人員の計画とスケジュールも必要不可欠である。前述のとおり予め、作成する紙面の計画が綿密に立てられるため、作業の計画が立てやすい状況となっている。作業に必要な時間を割り出し、チーム内の全員で綿密な作業計画の元に一丸となって対応をした。

ネットヘの展開

仕事風景

この農業資材総合カタログは紙媒体が発端である。なぜなら、コメリのメイン顧客層である農家様は高齢化が進んでおり、WEBよりも紙媒体の方が親しみやすい。しかし、これからの農業を活性化させるためにはより多くの購入手段を提供する必要がある。そこでインターネット通販サイト「コメリドットコム」にもカタログを掲載することとなった。コメリの主力商品である農業資材はもとから商品カテゴリの一つとして掲載されているが、そこにデジタル化した農業資材総合カタログを導入し、紙媒体と同じように商品を閲覧できるようにした。紙とWEBの整合性を高めることで、商品の検索や注文のしやすさを追求したのだ。デジタルカタログの商品は全てリンク設定されており、全国どこにいてもいつでも農業資材総合カタログの商品を購入することができる。コメリが目指す農業産業化に向けて、ビット・エイも同じ志の下、日本の農業を支える仕祖みをデザインやウェブコンテンツの面からもサポートし続ける。

タスクフォース

新入社員を中心に立ち上がった2つのタスクフォース

タスクフォースメンバー

インターネットを取り巻く環境は変化が早く、次々と新しい技術が立ち上がり進化を遂ける。ビジネスの世界でも例外ではなく、どの企業もこぞってICT技術の開発に力を入れている。ビット・エイは、ICT技術を使い世の中に貢献する為、2つのタスクフォースを立ち上げた。AIとは何か、世の中のAIはどのような特徴があり、業務適応されているか、コメリグループの業務に適応できるのか、AIを使用する場合はどうすればよいかを調査するAIチーム。各社クラウド・他社の導入事例を調査し、どのようなシステム・業務を効率化できるのか、自社サーバ構築との比較を行うクラウドチーム。いずれも、新入社員を中心に結成された。

AIチーム AIという未知の世界

ログ追加

AIチームはまず、AIを使用したビジネス事例の情報収集を行った。今まで人か行っていた売上や客数・在庫数の予測をAIを使用して実施する需要予測や、大手コンビニや保険会社が問い合わせ・回答ツールの一つとして既に導入しているチャットボットなど、一口にAIといっても種類は多種多様にあった。AIチームが注力を注いだのはチャットボットだ。各社チャットボットを実際に使用し、コスト、導入難易度、運用のしやすさを比較し、報告を行った結果、ドコモのAIチャットボット「Repl-AI」を採用サイト、チャットプラスを社内マニュアルとして導入することが決定した。

AIチーム チャットボットの導入

チャットボットの導入

採用サイトに導入するRepl-AIの利点の一つとして、「~です」「~なの?」といった話し言葉も理解する自然言語処理が搭載されていることが挙げられる。今まで就活生からの質問の中から、持に搭載に問合せがあった60問からスタートすることが決定。通常業務の合間を縫って、スケジュール管理、開発、サイト導入と担当を割り振り、総力を上げて取り組んだ。結果、現在ではキャラクターも設定し、対応できる質問数は200問を超え、コンスタントにアクセスがあるチャットボットに成長した。社内マニュアルのチャットブラスでは、あらかじめよく聞かれる項目を表示して選択できる仕組みを構築。ワードによる検索を行える。社内規定を中心に掲載しているが、今後各部署の業務マニュアルも組み入れてより使いやすい社内マニュアルチャットボットヘ進化する予定だ。今後は、この運用実績を基に、コメリグループ内の問合せ窓口の一つとして導入を予定している。また、AIスピーカーや需要予測についても引き続き調査を行っていく。

クラウドチーム ホンモノの情報を見極める

本物の情報を見極める

クラウドサービスと自社サーバ構築との違いを調べる一方、各社のクラウドサービスを比較する為、IBMクラウド、Microsoft Azure、Oracleクラウド、Googleクラウド、AWS(Amazon)、Adobe Creative Cloudの6つに絞り、各担当を割り振り、調査を進めた。タスクフォースは各担当を跨ぎ結成されており、クラウドの情報に疎いメンバーもいたが業務の合間を縫って何とか時間を見つけ、知識の向上に努めた。インターネット上の情報は、正しいものもあれば、間違っているものもある。その中でホンモノの情報を拾い出すには時間と労力が掛った。また、一般論ではなく、ビット・エイ、コメリグループに導入した場合の、メリット・デメリットについても調査を行う必要があり、インターネットやカタログに掲載してある表面上の情報だけでは足りない時には、先輩・上司から情報を提供して貰ったり、実際にメーカーと商談を行い、情報を収集することもあった。

クラウドチーム 実業務・システムに当てはめる

クラウドイメージ

コスト、セキュリティ、ネットワークをメインに、各自調査を行っていく中で、クラウドサービスのメリット・デメリット、各社クラウドサービスの特徴が見えてきた。実際ビット・エイが行っている業務や開発しているシステムに当てはめた時に、どのクラウドサービスが、どんな業務に向いているか検証を行ったところ、基幹連携を行っていないシステム、インターネットが繋がればどこでもできる業務が向いている、という答えに辿り着いた。現在、ビット・エイでは自社サーバ構築がメインだがクラウドサービスの提供や、プライベートクラウドもある。システム開発に当たり、外部クラウドを用いることも今後検討していく必要があることが分かった。

調査結果発表

勉強会イメージ

今回、2つのタスクフォースが調査した内容について他社員にも情報を共有する為、勉強会兼報告会を実施した。AIチームはチャットボットの導入、運用方法などについて、クラウドチームは、各社クラウドサービスの持徴や向いているシステム・業務について、いずれも新入社員から発表を行った。このタスクフォースは調査終了となったが、新入社員の活躍によって業務改善、効率化に繋がる調査となった。今後の活躍も期待できる。

タブレット入会システム

自社開発のクレジットカードシステム

コメリカード各種

コメリグループではクレジットカードの自社運営をしており、その中で、ビット・エイはクレジットカードのシステム開発を担っている。コメリグループで発行しているカードは5種類。コメリカード、アクアカード、アグリカード、ビジネスカード、官公庁カード。お客様に合わせたカードを提供しており、コメリカード、アクアカードの会員数は約300万人を突破した。近年様々な分野にITが組み込まれている。金融分野もシステム化が進み 、「フィンテック」という言葉も生まれている。コメリグループも金融分野であるクレジットカードを取り扱っている。今まで人の手で行ってきたことをシステム化できないか。システム化することで今まで発生していた問題を解決することができるのではないか。コメリグループもフィンテックに取り組んでいく。

現場の声

現場の声

カード運営をグループ内で行っている強味を活かし、どの過程でどんな問題があるのか、コメリ、コメリキャピタル、ビット・エイからメンバーを集め、ミーティングを行った。ここで一番役に立つ意見は「現場の声」である。お客様と直接話す機会があるのは、コメリ店舗で慟く従業員。グループ内で共有される情報により、開発チームにも現場の声がダイレクトに届くのだ。コメリのサービスカウンターではよく「コメリカードはいつ届くの?」と質問されると知った。実際、コメリカードを申し込んでから1ヶ月近くお客様を待たせていた。どうしてこんなに時間がかかるのか、運用の見直しを掛けると、様々な課題が見つかった。

第一の課題~カード発行の時間~

申込書

当初の入会受付は店舗でコメリカード会員入会申込用紙に記入し、申込用紙を郵送していた。その作業には申込用紙を紛失し、個人情報を流出させるリスクがあった。後に申込用紙の記入不備が見つかり手戻りすることも多い。各工程ごとにかなりの時間と手問がかかっていたのである。この時間を短縮させ、さらにリスクを無くすための手段としてオンラインでの入会受付を選択。入力した情報は直ちにカードセンターヘ送られるため、時間短縮でき、紛失リスクはなくなる。しかも、入力しながらシステムが入力不備を教えてくれるので、完全入力が可能になる。もちろん、文字がつぶれて読めないなんてことはない。そして、クレジットカードに必要な情報は全て個人情報であり、お客様に直接入力してもらう必要がある。ならば、タブレット端末を使って直接書き込むシステムを作ればいい。組み込むべき機能を明確にし、早速、ソフトウェア開発に取り掛かった。

第二の課題~使いやすさの選択~

タブレット入会システム

ソフトウェアの開発はプロジェクト内の進捗管理を徹底し、着実に進めていた。既存の申込用紙の内容をそのままに、不備があれば一目でわかるように、最低限のシステム改修で対応した。ソフトウェアが出来上がれば、それを入れるハードウェアが必要となる。ここで、お客様のことを第ーに考えたハードウェアの選択が迫られた。どんなお客様でも苦手意識を持たずに受付を進められるよう、紙に書いているような感覚で入力できるものが良い。端末本体は出来るだけ多くのメーカーから検証し、一番使い勝手の良いものを選択。実際に店舗でタブレットを使用し、正常に作動するのか、単純に使えるシステムになっているのか、念入りに検証を行った。もちろん、第一に追及した書き心地の良さも、実際に使ってもらうことで検証を行っていった。端末選定ひとつをとっても妥協せず、チームー丸となって収り組んだ。

タブレット運用開始~全国展開へ~

現場の様子

店舗での検証、テストを行い、タブレット入会受付システムはスタートした。まずは、本社に近い新潟の大型店パワーから導入開始。順次全国の店舗へ展開している。このシステムを導入するきっかけは「現場の声」。コメリグループが世の中の人々の幸せのためにこの仕事がありますようにと願い、一人一人の声に耳を傾け、グループ全体で取り組むからこそできること。運用する中で発生する小さな「現場の声」も見逃さず、改良し、お客様、従業員、コメリに関わる全ての人がより使いやすいシステムヘと進化している。

コメリドットコムリプレイス

ホームセンター業界はEC事業に向かない

プロジェクトリーダー

ホームセンター業界はEC事業に向かない。なぜなら、衣食住の「住」の分野であるホームセンターの主力は建築資材や農業用品。インターネットで買うようなものはないとされていたのだ。それでもコメリグループは2000年にホームセンター業界内でいち早くEC事業に取り組んだ。ホームセンター店舗数日本一のコメリは全国各地にハード&グリーンという小規模店舗が多くあり、大型商品の陳列、大量在直の保有は難しい。在庫しきれない商品はインターネット販売をすることで、店舗販売とインターネット販売の相乗効果も行られる。店舗があり、独自のインターネットサービスがあるということはお客様へのより良いサービスの提供につながるとの考えから、EC事業に力を注いでいる。コメリドットコムのシステム開発、WEBサイト運営、スマートフォンアプリ開発とお客様がどこでも買い物をすることができるよう様々な課題にチャレンジ。今後もより買い物がしやすいサイトにしていくためにはどうしたらよいか。やりたいことはたくさんある。では、それが今の状況でできるのか。より良いシステム環境作りが今、求められていた。

プロジェクト立ち上げ

2011年に導入したコメリドットコムシステムは5年の月日が経ち、性能的な限界が見えてきていた。これから、もっとお客様のニーズに応え、より使い勝手の良いシステムにしていこうとグループ全体が取り組んでいる。今後予定される更なる先進的な機能拡充に向け、ハードウェア、ソフトウェアの最新化に取り組むこととなった。システム開発チーム、WEBデザインチームからメンバーを集め、プロジェクトを結成した。

着手すべき課題

ミーティング

まず行われたのは、現状システムにおける問題点の整理。最新システムは現状システムの問題点をクリアできなければ、リプレイスを行う意味がない。そして次に、今後求められる機能、性能の整理。お客様のニーズとサイト運営側の作案効率アップに応えられるシステムでなければならない。現状の問題点と新規機能、性能を新しいシステムに良い形で吸収できる方法を調査した。

問題発生。解決するために

問題発生

見えてきた課題をクリアにするため、世の中の優秀なシステムベンダーと手を組み、システム開発を開始。開発スケジュール、役割分担、責任範囲を決め、チーム一丸となって開発に着手。最先端の技術を取り入れるべく選択したのは、最新のハードウェアとソフトウェア。最先端を行くというのは、未踏の地を切り開いていくということ。プロジェクトチームの知恵を振り絞っても、予期できなかった問題がいくつか発生。世の中に対処事例はなく、問題の原因究明に奮闘した。定期的にお互いの作業進捗を確認し、協力して解決していくことで、一人で作業するよりも、効率よく、スピーディーに問題が解決していった。

求められる力⇒コミュニケーション能力

コメリのアプリ

一つのシステムを開発するために大切なことは、自ら相手とコミュニケーションを取ること。プロジェクトメンバー、社内及びコメリグループ各社の関係者、外部のパートナー会社等、様々な人と密接にコミュニケーションを取らなければ、何も進まない。システムエンジニアはただコンピューターをいじっていれば良いわけではない。システムの知識が誰よりも豊富で技術力が高くても、世の中に求められるシステムは作れないのだ。会社がプロジェクトメンバーに求めたことは「コミュニケーション能力」があることだけ。システムの知識、技術が不足していても、必ずチームで補うことができる。チームー丸となって取り組むことで、より良いシステム開発をすることができた。

新システム稼働。その先へ

その先へ

問題もクリアになり、新システムヘ移行完了。IT業界の発展は留まることを知らず、日々新しいシステムが開発されている。新システム稼働後も時代の流れに遅れを取らないよう検証を繰り返し行い、改善すべき点を洗い出し、改良を継続している。今回のリプレイスで、従来の数倍の処理負荷に耐えられるようになり、更なるEC事業拡大へのインフラは整備された。その上で動く様々な仕組みをこれからスピードアップして構築していく。コメリドットコムは他社ECサイトに負けない、強自のサービスを次々と生み出していく。